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【楽に読める】ビッグモーター不正請求の14の問題点

こんにちは。dep_shogoです。

中古車販売大手ビッグモーターで、保険金不正請求問題が大きな話題となりました。

わかりやすい問題点は「車体をドライバーでひっかく」「靴下にゴルフボールを入れて叩く」などわざと傷を付けて、修理費をかさ増ししていた点ですよね。これはお医者さんがわざと患者を傷つけて手術するようなもの。決して許されることではないです。

ただ、保険のお仕事をしている僕には、もっとたくさんの問題があるように思えました。

と言う事で、自主学習的に情報整理してビッグモーター不正請求の14の問題点を洗い出しました。問題点が多い分、小学生でもわかるように超絶わかりやすくまとめたので、ぜひ最後まで見てくださいね。

 

本記事を見てほしい人

・ビッグモーターの不正請求問題をわかりやすく知りたい
・ビッグモーターの不正請求問題のどこが悪いのか知りたい
・複雑なので本質的な問題点を知りたい
再発防止を望んでいる人

僕の自己紹介

この記事を書いている私(@dep_shogo)は、普段は保険代理店で自動車保険を販売していて、上級資格である損害保険プランナーを所有しています。いつも自動車保険を取り扱っている保険代理店としての視点も交えて解説していきます。

 

ビッグモーター不正請求の14の問題点

14個の問題点は、3つにグルーピングするとわかりやすくなります。

ビッグモーター不正請求の14の問題点一覧

「ビッグモーターがしたこと」
①修理費という制御不能な数字のノルマ
②わざと車を傷つけて修理費を増やす
③理不尽な降格
④内部告発したがシカト
⑤対応は経営陣の給与カットのみ
⑥その他数々の不正

「その結果起きたこと」
⑦経営陣にそのまま従い、忖度するいびつな企業風土
⑧関係のない人の自動車保険の保険料が上がる
⑨事故車の自動車保険の等級が下がり、保険料が上がる
⑩等級を戻す対応が必要
⑪事故車の所有者は泣き寝入りの可能性あり

「保険会社側の問題」
⑫保険会社は不正を知っていたんじゃないか問題
⑬代理店委託契約を解除するのか問題
⑭太客には強く言えないいびつな関係

順に解説していきます。

 

ビッグモーターがしたこと

まずはビッグモーターの闇を整理します。

①修理費という制御不能な数字のノルマ

修理費を約14万のノルマとしていました。

ノルマは平均で見るので、仮に軽い事故で修理費が4万であれば次の車は24万の修理費でないと達成できない目標です。事故は当然、修理工場でコントロールできることでないので、ノルマが高いと基本的に無理ゲーです。

ビッグモーターでは修理費ノルマはアットと呼ばれ「車両修理の工賃(作業代金)」と「交換した車両パーツの粗利(販売代金から仕入れ代金を引いた金額)」の合計額です。

 

②わざと車を傷つけて修理費を増やす

これは、他ニュースでも取り上げられているとおり。

■報告書では以下の事実が確認済み
・ドライバーでひっかいて傷をつける
・サンドペーパーなどでこすり傷をつける
・ゴルフボールを靴下に入れて振り回して車体をたたく

アットのノルマ達成のために本来コントロールできない修理費を、自分たちでかさ増していました。

 

③理不尽な降格

無理ゲーなノルマを達成できないと降格。女性の歩き方がなっていないなど、意味不明な理由でも降格。場合によっては降格する理由も説明されないことも。評価、人事制度が全く整っていません。

こんなことだと社員は降格しないために、無理やりノルマ達成するみたいな思考回路になるのも無理ありません。当然良くないですけどね。

 

④内部告発したがシカト

一連の不正に我慢ならない社員が内部告発するも「告発については誇張されたものにすぎない」と十分な対応はしていなかったとのこと。実質シカトですよね。

 

⑤初期対応は経営陣の給与カットのみ

これを聞いて「えっそこ?」って感じでした。

これだけの不正をしても経営のイスに居座り続ける。不正にもらったお金は返さない。具体的な対策も明示さない。その後、社長辞任を表明しましたが初期対応としては最悪な印象でした。

給与カットしても結局会社にお金が残りますからね。第3者から見ても納得度はゼロです。

 

⑥その他数々の不正

他にもいくつか不正が見つかっているので、ここでは羅列だけしておきます。

街路樹を除草剤で枯らす

店舗前の街路樹がで不自然に枯れたり、伐採されたりしていることが確認されています。とうとう逮捕者もでました。。

参考:ビッグモーター街路樹伐採、逮捕の社員に強い権限か 唯一の「環境整備推進委員」

虚偽の自動車保険契約を結んでいた疑い

疑惑段階ですが、展示車両のような個人が所有していない車両を対象に保険契約を結んでいた模様。ソースだけ貼っておきます。

参考:ビッグモーター、自動車保険で虚偽契約か 福井の店舗で

 

その結果起きたこと

次は、ビッグモーターの不正請求問題の結果として起きたことをまとめます。

ここにも複数の問題点があります。

⑦経営陣にそのまま従い、忖度するいびつな企業風土

第三者委員会による調査報告書にもある言葉です。異常なノルマ設定の結果、社長の顔色しか見ないいびつな企業風土ができあがりました。

お客さんのことは見ません。幹部に部下の「生〇与奪権」も与えます。サービス業としてありえない文化です。

 

⑧関係のない人の自動車保険の保険料が上がる

保険はリスクを加入者みんなで分け合うのが基本。例えば地震のような大きな災害があった時には、みんなで負担する分、保険料は上がります。

同じように大きな修理費用が出た場合には、自動車保険に入っている人みんなで負担します。つまり、本件に係わりのない人の自動車保険の保険料が上がります。たぶん、この記事を読んでいるあなたにも関わります。めちゃくちゃムカつきますよね

 

⑨事故車の自動車保険の等級が下がり、保険料が上がる

当の事故した人も、自動車保険の事故カウントが入り等級が下がる分、保険料は上がります。

これは「修理が必要だから仕方がないのでは?」と思うかもしれませんが、今回はわざと傷を大きくしているのがポイント。

もし傷を大きくしていなければ自動車保険を使わずに、自分の自己負担で直すこともできたかも。自己負担する場合は等級は下がらず、保険料にも影響しません。

 

⑩等級を戻す対応が必要

保険会社各社は、ビッグモーターの不正行為によって保険の等級が下がった場合には、契約者と相談したうえで、必要があれば本来の等級に戻す手続きを進めるとしています。

これ自体は前向きな対応ではありますが、そもそもこの問題が起きなければ必要ない対応。調査も続いており件数も未知数なので、相当な作業工数になるはずです。

参考:損保各社、ビッグモーターに返還請求 水増し請求分、等級戻す手続きも

⑪事故車の所有者は泣き寝入りの可能性あり

故意の傷でもきちんと修理されていれば、どんな損害があったかを立証するのはハードルが高いです。写メを残してるとかじゃないと、完璧には無理じゃないですかね。もし証明できるものがないとするといくら保険会社が親身にも対応しようとしても、泣き寝入りする可能性大です。

 

保険会社側の問題

最後に保険会社側の問題です。どうしてもビッグモーターに目が行きがちですが、保険会社にも大きな問題があるのでまとめました。

 

⑫保険会社は不正を知っていたんじゃないか問題

他の修理会社に比べて修理費が高いので、異常値に気付けたんじゃないか?

ノルマのせいで修理費が異常に高いので「なんでビッグモーターだけこんなに高いんだ?調査しよう」と、普通は保険会社が動くはずです。でも、明るみになったのは今。もっと早く気づけるシーンはあったのでは?と思います。

異常値に気付けないとなると、もしかして他の修理工場も同じようにかさ増ししているのか?と別の問題も浮上します。

関係性の高かった損保3社はビッグモーターへの出向者もいた

特に保険料収保約200億のうち、120億を持っていた損保ジャパンは「不正は見抜けなかった」と言っていますが、損保ジャパンは2011年以降に37人が出向していました。シンプルに中で常勤していたなら、見えないものも見えてたんじゃないかと。

実際、最新記事では不正の可能性を認識して取引していたという記事も出てきました。

参考:ビッグモーターの不正可能性、損保ジャパンは認識し取引、損保ジャパン社長「不正見抜けなかった」ビッグモーター“不正請求問題”

 

一連の問題に金融庁も激おこプンプン丸で、損保7社に報告徴求命令を出しました。
2024年1月現在、ビッグモーター事件を巡り、金融庁から損保ジャパンに業務改善命令が出されました。
参考:金融庁が損保ジャパン親会社にも改善命令、ビックモーター不正請求で[新聞ウォッチ]

 

⑬代理店委託契約を解除するのか問題

不正請求を繰り返していたビッグモーター。通常、保険代理店がこのような不正をしたら一発アウトで仕事ができなくなります。

ではこの件で、ビッグモーターの保険代理店の委託契約が無くなったかですが、すぐには解除されませんでした。

事が大きくなって、ようやく損保ジャパンが委託契約を終了を宣言。東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険の大手2社は、ビッグモーターとの代理店契約の終了を検討するといってすぐには動きませんでした。

プロの保険代理店をしている身としてはこれが許せません。フェイスブック、Xでも保険関係者の怒りの声が散見されます。200億を超える保険料収保がある代理店は許して、僕らのような中小代理店だと一発アウト。納得できないですよね。

※23年11月、金融庁によってビッグモーターの損保代理店登録は解除されました。

参考:ビッグモーター 30日付け損保代理店登録取り消しを決定 金融庁

 

⑭太客には強く言えないいびつな関係

上記のすぐに代理店委託契約を解除をしなかった、今までの不正を見逃していた(疑惑)があるのはビッグモーターが大きな代理店であるから。

もし、委託契約解除となると以下2つの問題が出ます。

・200億近くの保険契約の保全を誰かがしなければならない
・保険契約を取れる機会を失う

保険会社にとっても大きな痛手です。そのためどうしても対応が甘くなりがちです。

 

保険代理店として思うこと

最後に、保険を売る保険代理店として思うことを書いておきます。

 

ビッグモーター単体だけの問題ではない

14の問題点の通り、この問題は実はビッグモーターだけの問題ではないです。保険会社も含めた利益を求めすぎる思考、組織文化が問題です。保険はみんなで負担して、リスクを適切に分散することが何より重要。

×利益を求める→その上で適切なリスクマネジメント
〇適切なリスクマネジメント→その上で利益を求める

ここの順序が逆になってはいけないということです。当たり前のことすぎるんですけどね。

今回の事件は氷山の一角でしかなく、この文化が直っていない以上、今後も同じような事件は出てくると思っています。個人的にはその膿をできるだけ吐き出して、できるだけクリーンな保険業界になって欲しいです。マジで。

グレーな判断はなくならない。大切なのはモラル

ぶっちゃけ、保険は白黒つけるのは難しい業界です。クリーンな保険業界になって欲しいのは本音ですが、所詮、理想論です。

慰謝料といったエモーションに関わる部分や、人が介在して保険金を決める以上、アバウトな領域はでます。そこで重要なのは「納得性」です。

「最近、部品の値段もあがっているしその分を予想して乗せよう」
「今回の修理は複雑で高度だから、工賃を少しあげよう」
今までこのお客さんは一度も事故なかったので、少し大目にみよう」

こういうアバウトさはまだ理解して「納得」はできますよね。グレーさはこの程度にとどめるべきです。

今回はこのラインを完全に超えてしまい、さらには関係のない人まで巻き込んでしまったために大問題になりました。

 

嘘をつく文化が闇を広げ、業界の衰退を招く

まだまだ保険業界には闇があります。これは僕の勝手な予想ですが、他の自動車修理工場でも起きています。損保ジャパンの知らなかったは嘘だと思います。

こういった隠ぺい体質が保険業界にはあり、保険業界の闇が深まっているように思えてなりません。インターネット革命で、情報が民主化され嘘をつき通すことが困難になりました。嘘はいつかバレ、闇が広がることで業界の魅力度は下がります。僕が就活生なら、今この業界に絶対に入りません。若い人材が入らずに衰退する未来が想像できます。

 

ということで以上です!

こうして記事を書く事で、少しでも情報の透明化を進めて、少しでもクリーンな業界に近づいていくこと切に願います。

 

あと、某保険会社たちに嫌気がさして、自動車保険がうちの代理店に流れてきてもらえるとちょっと嬉しいです笑

 

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